世界最大の塾の祭典に行ってきました。
全国の学習塾さんでコーチング研修をさせていただいている、教育コーチングEdcoac代表の沖津です。
4月12日(日)、塾フェスに参加してきました。
全国から140名もの塾人が参加する祭典。
今回は、塾フェスのレポートをお送りいたします。
世界最大の塾の祭典「塾フェス」
塾フェスとは、名古屋で開催された塾人のための勉強会のようなセミナーのような祭典です。
愛知県で塾をされている國立先生が主催されており、僕は2回目の参加でした。
國立先生のブログに詳細が載っているので、こちらもご覧ください。
前回は僕も登壇させていただき、教育コーチングについてお話をさせていただきました。
→前回の塾フェスの様子はこちらから
今回の登壇者はいつもに増して豪華な方ばかり。
4つの部屋があり、各部屋3~4名の方が登壇します。見たいセミナーの部屋に移動していくようなスタイルです。
このようなセミナーが開催されました。
『これからの塾でのAI活用』 佐藤雄太様(教育AI活用協会 代表理事)
『科学に基づくこれからの英語教育』 川崎あゆみ様(株式会社グロバリ 代表)
『これからの小学生指導』 田邉亨様(りんご塾 塾長)
『これからの学習塾』 常石博之様(株式会社スプリックス 社長)
『発達障害児への指導で大切なこと』 撹上雅彦様(フォレスト個別指導塾 塾長)
『ファンを生み出すクレーム対応』 山本咲希様(化学専門予備校花塾 塾長)
『これからの最上位生徒指導』 一柳忠宏様(名門効率高校受験道場 主宰)
『「生徒100名超え5教室」の作り方』 金城貴保様(KJゼミナール 塾長)
『ボードゲーム×教育の実践』 坪内康将様(日本ボードゲーム教育協会 理事)
『オンライン塾のWEB集客』 伊澤航太郎様(スタディコーチ 代表)
『塾人が商業出版を果たすために』 國立拓治様(さくら個別指導学院 代表)
『塾のWEB集客「ブログリライト」』 延藤素康様(学習塾オンラインサロンJUST 運営)
『日本版DBS施行までに準備すること』 中村鉱二郎様(全国学習塾協会 事務局長)
タイトルだけ見ても、とても興味の引かれるセミナーばかりですよね。
僕はこの中から、
『「生徒100名超え5教室」の作り方』 金城貴保様(KJゼミナール 塾長)
『塾のWEB集客「ブログリライト」』 延藤素康様(学習塾オンラインサロンJUST 運営)
『これからの最上位生徒指導』 一柳忠宏様(名門効率高校受験道場 主宰)
の3つのセミナーに参加しました。
ここからは、これらのセミナーから僕が学んだことを紹介していきます。
生徒数を増やすためには退塾率を下げる!
まずは、KJゼミナール金城先生の『「生徒100名超え5教室」の作り方』

右上のイケイケ塾長が金城先生です。
KJゼミナールさんは3年前、コーチング研修をさせていただきました。
その中で感じたことは、講師の方々の帰属意識がとても高いということ。
この時は、30名以上の学生講師さんに研修をさせていただきました。
そして今回のセミナーを聞いて、「僕の研修を依頼していただけた理由」が本当の意味で分かった気がしました。
金城先生のお話で印象に残っているのは、
「学生講師が定着しないことが、退塾理由の根本原因である」
ということです。
なぜ学生講師が定着しないのか、それは学生講師に期待していないからであるとおっしゃっていました。
学生講師に対して正直、こんな考えがちらつくことがあると思います。
・長くても4年しかいないし
・学生だからこれくらいやってくれればいいや
・学生講師を育て上げたところで
このような学生講師に対する期待薄が、学生講師が定着しない理由であり、
学生講師が定着しないと生徒の退塾が増えていくということでした。
学生講師に期待をし、学生講師一人ひとりを誰よりも大切にされている金城先生だから、コーチング研修を依頼していただけんだと、改めて感じました。
KJゼミナールでは、過去5年間、80%の講師が大学卒業まで勤務をされているそうです。
これって本当にすごいことだと思います。
学生講師が数人しかいないのであれば、卒業まで勤務することは普通のことかもしれませんが、何十名も学生講師がいる状況で、80%もの方が卒業まで勤務する。すごすぎます。
学生講師が定着するからこそ、KJゼミナールの退塾率はものすごく低く、生徒も定着しているのですね。
ではどのように講師が定着するのか。
ここからはすごく面白いお話でした。
学生講師に限らず人は、はじめからやりがいや責任感を求めることは絶対ない!との言葉から始まりました。
おおぉ!強い言葉だけどその通りかもしれない。と思いました。
そこからは、コーチングでもよく出てくるマズローの欲求階層説の図を提示してお話をいただきました。
まず欲求階層の1番下にある「生理的安全欲求」を学生講師に置き換えると、
『条件面の納得感』であると。例えば、満足感のある給与や、アルバイトだとしても有給付与等。
条件面の納得感があることで、生理的安全欲求は満たされるという発想は今までなかったですが、すごく腑に落ちました。
採用したばかりの研修期間は、社員がマンツーマンで指導をし、ほったらかしにしない、お任せはしない!を徹底されています。
次に2段目にある「所属と愛の欲求」
これは、『学生講師間、塾との繋がり』を表しています。
KJゼミナールでは、新歓BBQや旅行、夏の1日合宿など、学生講師が居場所を感じられる環境を整えています。
僕がKJゼミナールの講師だったら絶対に辞めないだろうなと思いました。
この夏の1日合宿の中で、僕が講師さんに向けて研修をさせていただきました。
そして3段目にある「承認欲求」
KJゼミナールでは、振り返りレポートの作成を全員に課しているそうです。しかもこのレポートは800時程度のレポート。
過去5年、書かなかった人や800字を下回って提出した講師はいないそうです。
これも本当にすごい。
なぜみんな提出するのか。それは、このレポートが昇給に関わってくるからです。このレポートは全教室で共有し、他の講師が閲覧できるようにしているそうです。この制度もとても素敵ですね。
他にも、全体講師研修を年2回実施、卒塾式を映画館を貸し切って実施等、色々なイベントを目的と意図をもって実施されています。
ここまでの欲求が満たされて初めて、やりがいや責任感を求められるようになるんですね。
傍から見ると、ただ講師と楽しくやっているように見えるかもしれませんが、1つ1つのイベントには意味があり、目的があり。
どれも戦略ありきで実施されている金城先生はかっこいいです。
学生講師の成長に目を向けることで学生講師が定着し、退塾率が減り、100名教室が作れる。
一見遠回りのように見えるかもしれませんが、これが塾を成長させるためには不可欠ですね。
学生講師の定着には、コーチング研修が大きく役立つのではないかと思います。
ブログリライトで入塾の精度を上げる!
次に参加したのは、学習塾オンラインサロンJUSTの延藤さんの『塾のWEB集客「ブログリライト」』

延藤さんは、学習塾の経営者、塾関係者が集まるオンラインサロンJUSTを運営されており、
僕もJUSTの1期から参加しています。
JUSTのおかげで全国の塾の方との繋がりがたくさんでき、頼れる人が増えました。
本当に感謝しています。
延藤さんはWEB集客がとても強い方で、今回のセミナーでも、まずは「今の塾のWEB集客」についての概要をお話しいただきました。
延藤さんのお話を聞いていると、いつも気付きがたくさんあり、今回もたくさんの気付きをいただきました。
たくさんあり過ぎるので、2だけ紹介します。
1つ目、「塾集客におけるブログとYouTubeは同じ立ち位置にある」
セミナーの中で、「生徒・保護者」はどこから来るか。というスライドがありました。
その中では、「紙媒体」「検索」「SNS」「その他」の方向から来る。ということを図で示していただいていました。
紙媒体は、看板・校門前配布・折り込み・ポスティング・情報誌
検索は、SEO・リスティング
SNSは、Facebook・X・Instagram
その他は、ポータルサイト・紹介など
紙媒体、検索、その他の経路からは、直接塾のホームページに生徒と保護者は来てくれますが、
SNSは、各SNSからいったん塾のブログに移動し、そこから塾のホームページに来てくれると。
ここで面白いと思ったのは、
YouTubeもブログと同じ立ち位置にあり、各SNSから塾のYouTubeに移動し、そこから塾のホームページに送るという役割を持っているというお話でした。
YouTubeが他のSNSと違うのは、蓄積型であるという点。
YouTubeにアップした動画は、1年前の動画でも5年前の動画でもオススメに上がってくることはよくあります。
一方でFacebook、X、Instagramは新着情報がオススメに上がり、以前投稿したコンテンツは、とても優れていたとしても再度オススメに上がることはほとんどありません。(TikTokの話はありませんでしたが、TikTokも同様です。)
ブログも同じですね。
例えばGoogleで、「○○高校 受験対策」と検索すると、それに関連したサイトが表示されますね。
これは、新着かどうかはほとんど関係なく、SEOに強いサイトが表示されます。
YouTubeも同様に検索することができますので、「○○高校 受験対策」と調べると、それに関連した動画が表示されます。
こちらも、新着かどうかではなく、YouTube上のSEOによって上位表示が変わってきます。
また、YouTubeはオススメ表示機能がありますので、ユーザーが検索しなくても、そのユーザーが関心を持ちそうな動画を、常に表示してくれます。
これも、新着かどうかはほとんど関係ありません。
ということで、今はYouTubeはブログと同じ立ち位置にあり、
延藤さんは、「みなさんYouTubeやりましょう!」と何度もおっしゃっていました。
僕も、水戸市にある対面の塾と、オンランの塾を2ブランド運営していますが、
そちらも1つずつYouTubeチャンネルがあります。
対面の塾は、2025年5月にチャンネルを開設して同月から投稿を始めました。
すぐに結果が出るとは思っていなかったので、2026年の新年度集客に活躍してくれるように。と思っていました。
初めてYouTubeから問い合わせが来たのは、2025年9月。投稿を初めて4か月後でした。
そして、2025年12月からは毎月YouTubeからの問い合わせが来るようになりました。
ただ、なんとなくYouTubeを始めるのは少し危険かもしれません。
うちの対面の塾は、水戸市にある個別進学塾セルフクリエイトという塾です。
大学受験専門ではありますが、それ以外に専門性を付けてはいません。
ただYouTubeチャンネルは、茨城大学合格応援チャンネルというチャンネル名です。
あえて、茨城大学専門塾のような見せ方をしています。
茨城大学志望の方からの問い合わせがもちろん多いですが、筑波大学志望の方からも問い合わせは来ます。
対面の塾は、何かしらの専門性を持たせた方が、YouTubeでは戦いやすいかと僕は思います。
塾の在籍生徒の中で、志望者が一番多い高校を1つ挙げて、「○○高校専門チャンネル」のようなネーミング。
その高校を志望している生徒・保護者であれば、きっと登録してくれると思います。
オンライン塾は、チャンネル開設は2024年2月です。
当時は、Instagramに投稿していたリールを、YouTubeのショートとしても投稿していただけなので、ちゃんとYouTubeをやっていたわけではありません。
しっかりYouTubeを始めたのは、茨城大学合格応援チャンネルとほぼ同じ、2025年4月です。
オンラインの塾は薬学部受験専門塾PharmAssistという塾です。
こちらはもともと「薬学部専門」という強みがあるので、YouTubeチャンネルも特に見せ方を変えずに投稿しています。
YouTubeチャンネルは、てら先生【薬学部受験の専門家】です。
オンライン塾は、対面の塾よりも問い合わせが来るのは早かったですね。
YouTubeをちゃんと始める前(2024年夏頃)からでも、YouTubeからの問い合わせがちらほらあり、
しっかり始めてからは、7割以上がYouTubeからの問い合わせです。
どちらのチャンネルも、「YouTube→ホームページ→問い合わせ」という経路がおおよそ4か月程度で完成していったかと思います。
2つ目は、「ブログのリライトの重要性」です。
延藤さんのセミナーのメインパートです。
うちの塾でももちろんブログは投稿しているのですが、投稿することがゴールになってしまっていたなと、反省しました。
ブログを投稿した後は、Googleアナリティクス、もしくはGoogleSearchConsoleを使って、各ブログの計測を行いましょう。
そして、伸びしろがあるブログを発見してリライトしよう!
というのがセミナーの超大事な内容でした。
伸びしろというのは、表示回数は多いのにクリック率が低かったり、クリック率は高いのに視聴時間が短かったりするようなブログです。
表示回数は多いのにクリック率が低いということは、
SEO対策としては申し分ない!だけど、タイトルや導入文をリライトすることで、クリック率が上がりやすくなります。
既存ブログの中でクリック率が高いブログを参考にリライトすると良いかもしれません。
クリック率は高いのに視聴時間が短かいということは、
タイトルや導入文は素晴らしい!だけど、文章の構成をリライトすることで、最後まで読み切ってもらいやすくなります。
再構成の仕方はたくさんあると思いますが、延藤さんが例えでおっしゃっていたのは、「自塾ならではの実例を入れる」こと。
内申点アップのノウハウについてのブログであれば、「実際に内申が上がった生徒の実例はこちら」というサブタイトルで最後まで読んでもらう工夫をするようなイメージです。
うちの塾でもリライトはほとんどしていなかったので、さっそく実践して、ブログからの問い合わせ率も向上していこうと思いました。
ブログを投稿する、YouTubeを投稿する、とまずは行動できているだけでもすごいと思っていたのですが、その次のアクションを常に考えていないと、なんとなくの行動になってしまいますね。
これから5年10年と勝ち続ける塾になるために、常に前進する塾でありたいと改めて感じました。
塾の校風、塾風を作ってファンを作る!
最後は、名門公立高校受験道場主宰 一柳先生の『これからの最上位生徒指導』

真ん中のちょっとだけ恐そうな塾長が一柳先生です。
一柳さんは埼玉県の浦和で、雄飛会という塾をされており、とても言葉を大切にされている先生です。
一柳先生のセミナーで一番印象的だったのは、「塾の校風を作って浸透させる」ということです。
一柳先生は浦和高校出身で、雄飛会も「浦和高校への挑戦」というショルダーコピーを掲げており、
セミナーの中で浦和高校の校風を紹介していただきました。
浦和高校の校風は、「三兎を追え」
二兎を追うものは何とかということわざがありますが、そういうことではない。三兎を追えと。
浦和高校が言う三兎とは、「勉強」「行事」「部活」のことです。
この校風が全校生徒に浸透しているようで、浦和高校の生徒は何事にも全力でのぞみ、
「今の自分は浦高生としてどうなのか」という自問自答が生まれるとおっしゃっていました。
校風がただあるだけでなく、校風に沿った結果もちゃんと出ています。
進学実績:東大16名、京大10名、一橋12名、北大7名、阪大4名、東北大23名、筑波大8名・・・
全国大会出場:囲碁将棋部、カヌー部、ローイング部、陸上競技部、弓道部、水泳部、ボート部・・・
関東大会出場:山岳部、ラグビー部、剣道部、吹奏楽部・・・
特徴的な行事:強歩会、1万人が来場する文化祭、スポーツ大会、弁論大会、クイズ大会・・・
まさに三兎を追った結果ですね。
雄飛会でも、校風ならぬ塾風を掲げています。
塾風を掲げていると、「今の自分の行動は雄飛生としてどうなのか」と、生徒が考えるきっかけになり、生徒の自律・自走に繋がるとおっしゃっていました。
もちろん塾風を掲げるだけでは意味ないですが、しっかりその言葉を浸透させ、生徒に対して自律を促す関わりをすること、とても大事ですよね。
どんな塾でも、いずれ生徒たちは塾を卒業し、塾がない状態でも前進していかなければいけません。
そうなった時に、元塾生たちの心の中に塾の教育を残せるか。
これって教育者としてとても大事な考えじゃないかなと思いました。
うちの塾も、教育方針はありますが、塾風として言葉を残していないので、塾風を作ることを決めました。
浸透させるまでに時間はかかるかもしれませんが、浸透するまで言い続けようと決心しました。
次の塾フェスに行きたい!と思った塾の方へ
ここまで紹介してきた本当にためになるセミナーが、いくつも開催されているのが塾フェスです。
同じタイミングで4つくらいのセミナーが同時開催されているので、すべてに参加することは出来ませんが、参加者限定でアーカイブ視聴が出来るものもあります。
そして塾フェスの魅力は、このセミナーだけではありません。
この後の懇親会もとてもとても有意義な時間です。
全国から140名もの塾人の方が参加する懇親会。登壇者の皆さんも参加されているので、聞けなかった話も聞けるチャンスです。



こんなに、塾フェスっていいよね。いいよね。と言っていて申し訳ないのですが、
主宰の國立先生は「塾フェス『ファイナル』」と銘打って、今年の塾フェスを開催されました。
これだけの規模のイベントを開催するのは本当に大変だと思います。
登壇者への声掛け、場所確保、当日のタイムスケジュール作成、イベント周知、当日準備、片付け、挨拶周り・・・
僕が想像できていない準備や苦労もたくさんあると思います。
なので、何回も続けてこられた塾フェスをファイナルとして開催したことには、大きな意味があったのだと思います。
ただ、塾フェスの日の中で國立先生は、「次は『シン塾フェス』として開催するかもしれません」との言葉を残しておりました。
シン塾フェスが開催されるのであれば、僕は必ず参加したいです。
もし塾フェスに参加したことがなくて、参加してみたいと思った方は、来年の4月か再来年の4月、もしかしたら3年後になるかもしれませんが、シン塾フェスの開催を楽しみにお待ちください。
國立先生のブログで案内はされると思います。
